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なぜ問題社員の対応策を学ばなければならないのか?
問題社員対応は会社、経営者のためだけでないのです。他の従業員のためでもあります。退職の連鎖を防ぐという目的です。
また、違法な対処をした結果、紛争の顕在化によるリスクもあります。そうすると、会社の評価は低下し、採用(求職の募集者数)に悪影響を及ぼします。
従来の問題社員対応のセオリー
従来の問題社員対応のセオリーは以下のようなものでした。
こちらのセオリーは現在は通用しなくなっています。
①口頭で の注意・ 指導
②書面で の注意・ 指導
③軽い懲戒処分から段階的に始める
④解雇に至らない重い懲 戒処分
⑤最終警告書
⑥解雇
しかし、退職ありきの会社の姿勢が相手に印象付けられるため、必ず会社の姿勢は見抜かれます。
裁判においては会社の姿勢が問われるます。証拠からすれば解雇が無効になるはずがない事案であっても、敗訴になるケースがございます
会社は生物ではありませんが、顔つき・性格・思想は労働事件において随所に現れます。
ですので、「排除」「隔離」「無視」はやるべきではないのです。
問題社員対応でやるべきこと
問題社員対応は、本来業務とはかけ離れている場合が多いが、誰かがやらないといけないのです。
問題社員に正面から向き合えるように、腹をくくる必要があります。
北風と太陽の童話のように、退職させようとして北風のように強く当たっても退職はしません。
太陽のように、仕事をしてもらうよう取り組むと結果として退職をしてもらえる可能性が高いといえます。
北風の対応の流れ
隔離・排除・ 無視→仕事をさせない→問題社員の固定化→裁判所の価値観からしても会社の 措置(配置転換・降格)を否定する 傾向が強い
太陽の対応の流れ
(従業員)日報使用による自己認識→(会社)指導教育→(従業員)全部又は一部受容→(指導教育の成果がない場合)配置転換・降格・減給・退職勧奨→(従業員)全部又は一部受容→紛争回避(配置転換、 合意退職、 降格)
自省を促す日報を使用した日常の勤務管理
自省を促す日報を使用した日常の勤務管理もおすすめです。
普通だが、粘り強く使用すれば効果があります。
▶ ポイントは、固有名詞と数字を以下に細かく書いてもらうことです。
固有名詞と数字は後に検証可能であるため、本人の仕事ぶりを客観的に検証
しやすいです。
▶ 「私だけ日報を書かせるのはパワハラではないですか?」と問われても、
これまでの問題行動・成績不良等の事実があれば問題ありません。
▶面談で本人の意見を聞いて、その場でペンで修正して本人に渡し、可視化しましょう。
① 電話対応や宅配対応等、細かな業務がある場合には、「業務内容」の欄には大まかな業務を記載してもらい、細かな業務については、「備考」欄に記載してもらう。
② 「備考」欄には、業務の予定時間と実際に業務にかかった時間を記載する。
Ex 30分である業務を行う予定であったが、実際は50分かかってしまった場合⇒ 50分/30分
③ 時間の他にも、業務量等を数値化できる場合には、具体的な数字を記載させる。
④ 「本人(成果・感想)」については、何の業務ができて、何の業務ができていないかを具体的に記載させる。また、できていない業務について、どうすれば改善することができるのか、本人に考えさせて記載させる。
⑤ 「上長(コメント)」については、感情的にコメントをしたくなるような場合もあるが、事実の指摘とその事実に対する評価のみを記載するように努める。
⑥ 定期的に面談を行い、できていない業務の改善方法等について、具体的に教育・指導を行う。また、面談記録も残しておく。
問題社員の類型ごとに解説いたします。
こちらからご覧ください