目次
働き方改革の骨子
1 長時間労働の是正
①時間外労働時間の上限規制(罰則あり:懲役6月以下、罰金30万円以下)
②年次有給休暇5日の取得義務化(罰則あり)
2 多様で柔軟な働き方の実現
①フレックスタイム制の見直し
②高度プロフェッショナル制度の創設
3 勤務間インターバルの普及促進等
①勤務間インターバル(努力義務)
②産業医・産業保健機能の強化
「働き方改革」の本当の狙い
▶ 「地銀の7割は5年後に赤字」(H27.10.25金融庁の衝撃的レポート)
▶ 日本は中小企業の数が多い
▶ 年間960時間規制を守れる運送会社はどのような会社か?
▶ 政府は意識的に「働き方改革」を通じて中小企業ふるいにかけようと
している→労働政策ではなく、経済政策
▶ 従業員も生き残れる会社なのかを意識的・無意識的に見ている
▶ 【若者の中小企業に対する見方】
休みが取れる会社→余裕のある会社→生産性の高い会社→生き残れる会社
各改正法の期日
太字 :法律案要綱から変更(1年延長)された施行期日
その他:法律案要綱から変更のない施行期日
労働時間法制の変更
長時間労働規制に対する対応で気をつけるべきこと
▶ 今後、長時間労働規制が厳しくなると会社から管理職へのプレッシャーも厳しくなる「絶対100時間を超えさせてはいけない」「絶対36協定を守れ」
▶ 守ろうと思っても守れない場合、上司が勤怠記録を改ざんする危険がある
▶ しかも上司同士で意を通じ会社の知らない所で特定の事業所や事業部で組織的に改ざんが行われる可能性がある
▶「絶対に勤怠記録は改ざんしてはいけない」ということを徹底する必要がある。仮に労働時間規制を守れなくともそれだけで厳しく責めるべきではない。長時間労働は上司だけで改善できるとは限らない
年次有給休暇の取得義務化
l有給休暇取得を会社から積極的に働きかけ、10日以上法定有給休暇を取 得する従業員に対して時季を指定して5日以上付与しなければならない
(ただし、労働者が自発的に取得した場合や計画年休取得部分は除く)。
l従業員が1名であっても2019年4月から開始する。
l2019年4月1日以降の付与日から適用される。それより以前は適用されない。
l使用者に従業員の意見を聴く義務がある。
l年次有給休暇管理簿の作成義務、3年の保存義務
l年次有給休暇管理簿の作成例
時期、日数、基準日を明記する。 従業員に希望を聞いて予定を入れれば足りると思われる。
l半日単位の有給付与はOK,1時間単位はNG
差別的取扱いの禁止と不合理な労働条件の禁止
ハマキョウレックス事件・H30.6.1最高裁判決
【事案】正社員と有期労働社員との間で、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当等に相違があることは労働契約法20条に違反しているとして提訴